マン・レイの悲しみ

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マン・レイは1890年生まれのアメリカの写真家です。
その写真展が大阪で開催されていたので見に行きました。


ほんとうは写真家として成功するより芸術家になりたかった人だったことをこの展示で知りました。写真とともにたくさんのデッサン、絵画、彫刻がありました。でも残念なことに写真に較べるとそれらはちょっと見劣りするものばかりなんです。ピカソやエルンストをはじめとした溢れんばかりの才能ある芸術家達と交流していた中で、これらの作品が彼らの作品に較べて生彩があったとは思えません。それは彼も分かっていたんだろうなあと想像します。明るく振る舞いながらも、きっと悲しかったでしょうね。

写真ではポートレイトが多数ありました。視線をはずしたポージングが多かったのは意外でした。そして、彼が世に出た、ソラリゼーションという技法を駆使した写真はやっぱり美しかったです。写真に手をかけるなんて、今の写真家でもそれを極端に嫌う人が多いのですが、彼は写真という素材で遊びまくっています。まるで子供のようです。暗室にこもって熱中している姿が眼に浮かぶようでした。

カメラという道具が、写真という技法が、彼を勇気づけ、彼を特別な存在にしていたのかもしれません。

帰りは大阪の街を歩きました。
気持ちのいい土曜日の午後でした。