真空管オーディオ学会?

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3週間前のことです。
仕事に帰りに寄った「真空管オーディオフェア」。
三回目の参加ですが、いつもちょっとした学会(地方会)のような学級的雰囲気があります。参加費500円を支払うと首から下げる名札を貰うのも学会と同じです。

招く側は真空管オーディオ業界の人達、招かれる側はオーディオファンと音楽ファン。両者はかなり高齢化社会を具現化していて凄いです。後ろから見ていると黒髪というのが稀ですから。
 いつものようにいくつかのブースを回りましたが、S社(アンプ屋)のブースで動けなくなってしまいました。心筋梗塞でも脳卒中でもありません。凄く音がいいんです。音楽が身体に入ってくるんです。
会場の損保会館はお世辞にも設備や作りがこの会に相応しいとは言えません。建物自体が古いし、天井は低く、廊下は狭く、防音材は無いも同然です。急こしらえのブースでは白いテーブルクロスだけの会議机にステレオセットが置かれています。フロアにはパイプ椅子が並び、ドアは開けっ放しで、隣のデ モンストレーションの音も遠慮なく飛び込んできます。時々は中央線快速の音も聞こえて来たりで、それはそれは劣悪な環境です。

いままでも、ここでこれはいい音だなと思った事なんて一度もありませんでした。しかし、今回は感動がありました。可愛らしい真空管のアンプ、市 販のスピーカー、CDあるいはアナログからサンプリングした音源(オーバーではなくなんとアンダーサンプリング!)。でも、そこから出てくる音はとても音 楽的でした。
決して好みではないソニーロリンズですら素敵に感じました。知識の乏しいクラシック音楽も楽しめました。

オーディオの質が良かったのか、僕の気分がそれを待っていたのか、そこのところはよく分かりません。でも、少なくとも質のいい機材がそれを助けてくれたのは事実です。それと、こんな真空管オーディオに生活を賭けている人達の熱意も大きいんじゃないかと思いました。
感動出来る音楽に触れさせてくれた素敵な一時で、オーディオも捨てたもんじゃないなあと思いました。