欲望に忠実な人は成功する?

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ずっと意識しながらも写真展というかたちで真正面から見つめ合うことはなかった作家です。
60年代後半から70年代にかけて活躍した人で、モノクロ、ぶれ、ぼけ、粗い粒子、という技法が有名です。ところが作品は世間の評価は分かりませんが、案外アーティスティックでポップな感性が感じられてこの時代の表象という感がします。そういうところが僕は好きです。

昔々「犬の記憶」という野良犬が上目遣いでこちらを睨んでいる印象的な写真を見たのが最初の出会いだったかも知れません。その頃はたくさんの写真ヒーローが居ました。たくさんの写真を志す人たちの向かう一つの方向としてこの人の写真があったと思います。

まあ、そんなことはどうでもいいんですけど、この人は欲望を表現することがうまいんです。人(犬もかな)の欲望を写すんです。欲望カメラ、面白いですね。

そういえば、お金持ちになる人や会社で偉くなる人は自分の欲望に愚直なまでに忠実な人が多いなと最近感じています。森山大道さんのようにそういうのを写したいとは思いませんが、確かに僕にだってそういうのは見えます。端的な例で言えば、高級車のオーナードライバーって強引でしょう。

ただ、僕はそういう生き方にはまったく興味がないのですが、あれやこれやいろいろ感じさせてくれる興味深い写真展でした。おしまい。