桑原さんの昭和

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地味変さんに教えてもらい、世田谷美術館桑原甲子雄(くわばらきねお)の写真展を観に行きました。

1913年生まれ。東京下町の質屋のせがれが写真道楽。そして時代の波に乗ってカメラ雑誌の名編集者に。50歳を過ぎて初めての個展をしたら、その写真が人気に。そして、2007年に亡くなった。という人なんですけど、所謂「ゲージュツ写真」というのとは違って、昭和の市井を記録したスナップです。

楽しかったのは僕が子供の頃に過した渋谷や銀座の、その頃の写真があったことです。その頃の自分が写っているのではないかと思って幼い自分を一生懸命探しました。もちろんそれは見つからなかったのですけど、それくらいに親近感が持てるような「身近感」満載の作品群でした。それがこの人の作品の魅力なのでしょう。

ところで、この世田谷美術館ですが、砧(きぬた)公園の中にあります。用賀インターの近くという、電車で行くには不便このうえない場所なのですが、それも散歩と思えば楽しめます。世田谷と言うには気がひけるくらいにこの辺りは郊外感満載で、精一杯のセンスと小金を使った体裁のよい家が並んでいる町並です。あーつまらない、と思いながらも、それでもぶらぶら歩きは心地よかったです。地味変さん、感謝です。