写真に関するメモ 4
北井一夫、森山大道、横須賀功光、高梨豊、中平卓馬、立木義浩、篠山紀信・・、当時はそんな写真家が活躍していました。一方では「流行通信」がファッション誌でありながら、むしろフォトアートの前衛として素晴らしい「作品」を掲載していました。
少年だった僕はそういう多様なアプローチの全てに反応してしまいました。もともとは美術が好きだった生意気なガキだったのですが、そういう圧倒的な写真の波に、好きだ嫌いだというレベルを超えた刺激を受けました。
写真部に入って(軽音楽部もですが)、暗い部屋の魅力に惹き込まれるのは当然の成り行きでした。研究室で夜中まで実験をやるよりも、写真部の暗室で夜明けまでプリントをするのが楽しかったです。バンドでステージに立ってギターを弾く時にもカメラを持っていました。物撮りのバイトもしました。
友人のアングラ演劇の撮影をまかされたりしていたのはその頃です。劇団の人は猥雑で刺激的な写真が気に入ってくれました。
仕事をするようになってからは、少々写真との距離をおいて暮らすようになりました。イベントや彼女の写真を撮ったりはするのですが、それはとても気まぐれなものになりました。